高級感を打ち出す居酒屋も急増

居酒屋に求められるようになった多様性

居酒屋というのは江戸時代にはもう存在しているほど、日本人にとってはなじみのある飲食店です。
かつては大衆酒場や赤ちょうちんなどといった呼び方もありましたが、その一方で、居酒屋という呼び名も長く使われてきたことが歴史を紐解くとわかります。
そんな居酒屋がにわかにブームになったのは、やはり不況の時期が長く続いたからでしょう。
バブルで賑わっていた時には、バーに行ってウイスキーのボトルをキープし、それで水割りを飲むのが成功したサラリーマンの象徴と考えられ、日本全国のサラリーマンが行きつけの店を持つことを目標にしていました。
スナックと呼ばれる、ママと一人か二人の女の子で回しているような小さな店ですが、それがサラリーマンにとってのステイタスシンボルでもあったのです。
そんなバブルな時代があえなく崩れ、登場したのが居酒屋です。
リーズナブルな料金でお酒を飲んで酒のつまみが食べられるとして大人気の店となったのも、不況の時代に突入したからこそと言えます。

そしてまた時代が変わってきた

バブル崩壊から20年が経ち、ようやく日本経済に明るい兆しが見え始めたのは、ここ数年のことです。
失われた20年を経て立ち直ってきた中で、居酒屋は相変わらずリーズナブルな料金が魅力でしたが、最初はほんのおつまみ程度だった料理がまず変わり始めました。
さまざまな種類の料理が提供されるようになり、お酒が飲めない人にとって、お酒を飲まなくても食事そのものを楽しめる店へと変わっていったのです。
お酒好きにとっては、焼酎ブームやハイボールブームで居酒屋を利用してきました。
近年は日本酒離れが叫ばれて久しい中、有名な地酒を求めて居酒屋を訪れる人も増えるなど、特色を持った居酒屋が増えてきたのです。
こうした何らかの特徴を持っている居酒屋のことを、大衆居酒屋に対してコンセプト居酒屋と呼ぶようになり、ある種の線引きが行われたのです。

昨今は高級志向がウケている

景気の上向きで、大企業に勤めている人などはベースアップが実現し、ボーナスも復活して給料は上昇基調にあります。
また、女性もキャリアを積んで仕事を続けたい人が多くなり、結婚が遅くなる傾向と相まって、女子だけが集まって飲み会をする、通称女子会を行う様になりました。
女子会は居酒屋でもおこなわれますが、そのための居酒屋に高級志向を求めるようになったのが特徴です。
高級志向に応える居酒屋のほとんどがコンセプト居酒屋ですが、このコンセプトがまたよくできているため、高級感を打ち出した居酒屋巡りを楽しんでいる人も多いのが、居酒屋が時代とともに変わりつつ、生き残ってきた秘訣といえます。

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